女性が美について話すとき、誰よりも自分自身が、最も自分に対して厳しく批判的になるものです。「ダヴによる少女たちの美と自己肯定感に関する世界レポート(2017年)」によると、日本人少女たちのうち自分の容姿に高い自己肯定感を持つ割合はわずか7%です。社会問題研究センターが行った「ミラー、ミラー」という研究によると、女性は男性よりも自分の外観について批判的で、鏡に映る自分の姿を否定的にとらえることがわかっています。
「私たちは、自分自身の容姿に対する否定的な発言に対して、もっと意識するべきです。こういった不安な気持ちを子どもたちが敏感に感じ取ってしまうからです。」健康心理学の専門家であるフィリッパ・ディードリッヒ博士はこのように言っています。「自分の容姿に満足し、大切なものだと思うことは、簡単なことではないかもしれません。ですが、あなた自身が自分の容姿を肯定的にとらえ、大事にすればするほど、お子さんも自分の容姿に自信を持ちやすくなるのです。」
お子さんに自己批判を教えない
もしあなたが自分の容姿に自信をもっていない場合、自分の容姿の愚痴を言ってしまうことで、お子さんに影響を与えてしまっている可能性があります。
「多くの女性が、自分でも気づかないうちに、自身の容姿に対して否定的な発言をしてしまっています。そして、無意識のうちに、自分の容姿に対して不満を持つのが当たり前だと、子どもたちに教えてしまっているのです。」と、ディードリッヒ博士は言います。
イギリス政府が実施した「容姿に対するとらえ方についての考察」という調査結果によると、親が自身の容姿に対して否定的だと、それを子どもが真似をするようになるということがわかりました。また、やせることへの社会的なプレッシャーが若い女性に与える影響を調べた「容姿についての会話に関する実験調査」によると、女性が他の女性から体重などの容姿の話を3~5分間聞くだけで、容姿への自信が低下することが明らかになっています。
お子さんがこういった状態にならないようにするためには、どうすればいいでしょうか?
自分への自信を高め、自分に優しくなる方法:
お子さんの前で、自分の容姿について常に肯定的な姿勢でい続けるというのは、容易なことではないかもしれません。しかし、親であるあなた自身が自分の容姿に対して自信を持ち、自己肯定感を高めようとすれば、お子さんは自分の容姿を肯定的に考えるようになるのです。
否定的な発言をやめれば、気持ちも前向きになれます。自分の脚が好きだとか、ジムに行ったあと強くなった感じがすると思ったら、それを言葉にしてみましょう。新しい髪型やワンピースが自分に似合うと思ったり、自分は思いやりがあっておもしろい人間だと感じたら、それを言葉にして言ってみましょう。最初は自意識過剰と感じられるかもしれませんが、自信に満ちた新しい自分は、自身の自己肯定感だけでなく、子供の自己肯定感にも影響を与えるのです。
自己肯定感を高めるためのチェックリスト