ソーシャルメディアにおける問題 ―「あおり」にのってはいけない
「面と向かっては決して言わないようなことも、ネット上では言ってしまう人はたくさんいます。まるで、配慮に欠けた無礼な態度を取る『権利』を与えられているかのように、それはそれはひどいんです。そうやって人を侮辱しても、相手の反応を見ないようにしようと思えばできてしまう…恐ろしいことです。で、気づいたんです。そんなことをするような人なんて、自分に正直になれないようなひ弱な人間。そんな人間に、私の自己肯定感を傷つけられてたまるかって。ひどい言葉に振り回される必要なんてないんだって。『もう結構!』」マデリーン、14歳
ソーシャルメディアは、「人から受け入れられる」ということの定義を変えてしまう
「たくさんの『いいね』をもらうタイプの人がいます。『いいね』をもらえる基準は、非常に狭い範囲です。それに当てはまらない人は、必死で努力しなければならないことになります。スカートを短くしたり、シャツのボタンを低すぎるくらいの位置まで外したり、濃いメイクをしたりしなければならないことになります。いい反応が欲しくて、多くの少女たちはセクシーさを強調します。これは、私たちの世代を象徴する悲しい姿だなって思います。」 インディア、16歳
10代の少女たちは、ソーシャルメディアを好きになるようにできている
ソーシャルメディアが10代の少女たちに与える影響に関しては、相反する事実があります。研究によると、ソーシャルメディアは、自尊心をはぐくむこともあれば、害することもあるのです。
臨床心理学者であり、10代の娘2人の母親でもあるタラ・カズノー博士は、「若者は社交術としてネット上でつながっているんだということを、親がちゃんと理解する必要がある」と言っています。
若い人たち、特に10代の少女たちにとって、ソーシャルネットワークが非常に魅力的なのは、思春期に見られる2つの特徴を兼ね備えているからです。1つは、家族の枠を超えて社会的なつながりを広げ、新しい友達を作ろうとする、本能です。もう1つは、心を磨くようなことに対して、生まれつき持っている強い衝動です。
「ソーシャルメディアは、この時期の子供には非常に魅力的です。友情と脳への刺激、どちらの欲求も満たすからです」クジノー博士はこう話しています。 「これは、女の子が扱いにくくなったとか頑固になったということではありません。女の子というのは、元来離れられないのです。ソーシャルメディアは強烈に興味をそそるものだと理解するということは、お子さんをサポートする際の基本です。」
お子さんがソーシャルメディアを上手に利用できるようにする
お子さんがソーシャルメディアを上手に利用できるようにするには、どのようにサポートすればよいでしょうか?お子さんには、他人と比較したり、完璧なプロフィール写真を作ったりすることにやっきになってほしくない、と思っていることでしょう。お子さんに、自分自身の才能や資質、友情に基づいて、強い自尊心を持てるようになってほしいと願っていますね。
自己肯定感を得るための近道はありません。自尊心は強固な人間関係と目標の達成がもたらします。つまり、お子さん自身が少しずつ構築していくものなのです。それをサポートするための最善の方法は、親であるあなた自身が、人生において強い自尊心を持つお手本になることです。機会があるごとに、本当の友達とはどういうものか、自尊心とは何か、について話をしてあげてください。もしあなた自身が自己肯定できていない場合には、助けを求めてください。あなたが自分の問題に取り組むことこそが、お子さんにとっても助けになるのです。
ソーシャルメディアの影響を制限するためのチェックリスト