一般人とは比較のしようもないような有名人の生活ぶりが、さまざまなメディアを通じて、若い人たちに多大な影響を与えています。ファッション雑誌やテレビ番組、SNSなど、そういった有名人の影響はいたるところにあります。お子さんはそれに対してどうとらえているでしょうか?
有名人をお手本にしてしまうことによる弊害
有名人の情報、その私生活に、今は簡単にアクセスできる時代です。また、有名人と自分たちの生活の境界線もわかりにくくなってきています。裕福で有名な人たちは、自分たちの贅沢な暮らしぶりや、日々の派手な出来事を世間に喜んでシェアします。なので、子どもたちがそれを普通のことだと感じるのも無理はありません。
「有名人が派手な生活をSNSに投稿し、それを子どもたちが普通のことだととらえてしまっていることで、子どもたちの行動に大きな影響を与える可能性があります。」ドキュメンタリー制作者でもある女性活動家はこう語っています。「一体何が真実で、何が人々の注意をひくために作り出されたものなのかを、少女たちが見極められるようになることが重要です。」
有名人の生活
11歳のソフィーに、大きくなったら何になりたいかと尋ると、即座に答えました。「有名になりたい!」 どういうことで有名になりたいかを尋ねると、答えに少し困っていました。
少女にとって、有名になる理由を深く考えずに「有名人」に憧れるのは、普通のことのようです。 考える(Think) の著者であるリサ・ブルーム氏は、自身の著書の中で、若いアメリカ人女性のうち25%は、ノーベル平和賞を受賞するよりも、モデルのオーディション番組「アメリカズ・ネクスト・トップ・モデル」で勝ち残りたいと考えていると記しています。
イギリスのガールガイドの調査によると、37%の少女たちは、有名人と自分自身を頻繁に比較していると答えています。
ファンタジーなのか、現実的なのか?
有名人のライフスタイルの本当の姿や、カメラに映っていないところでは実際どうなのかということについて、お子さんと話し合ってください。有名人の写真や、雑誌などで見る女性画像が、どれほど加工修正されているかを考えるきっかけになるでしょう。
「料理人や専属トレーナーがついているような有名人が、私たちの生活からどれほどかけ離れているものか、子どもとよく話します。」12歳のルーシーの母親、マーティンは言います。「ルーシーは、どんなことなら現実的なのか、手に入るものなのかがわかっているので、地に足がついています」
本当の現実と、作られた「現実」
有名人は、自分のSNSのアカウント管理を、外部の会社に委託する場合が多いのを、お子さんは知っていますか?大好きなアイドルの本音や思いだと信じていた投稿が、実は別の誰かが書いたものかもしれません。
子どもたちは、自分探しをしている一方で、好きな有名人の影響に左右されやすく、すぐに真似をしようとします。有名人の虚飾の裏にあるものを見せることで、子どもたちが洞察力を養い、自信を持って自分自身を表現できるようになることを、サポートしてあげてください。
プライバシー保護のため、ここで紹介している人物の個人名は、匿名にしています。しかし、掲載している話の内容はすべて真実です。